オタクof数理の共同ブログ

京大情報学科数理工学コースの学生4人による共同ブログです

TOEIC550でも京大英語で100点超が取れるせこい和訳術

こんにちは。zalgo(@zalgo3)です。

先日アメリカに旅行に行ってきました。以前からうすうす気づいてはいたのですが、僕の英語力はかなりひどいものでした。
まあそれはそれで何とかしないといけないのですが、そんな僕でも受験ではいっちょ前に英語を武器にしていたので、今回はそれについての記事を書きたいと思います。
ちなみに高校で先生に習った内容の受け売りです(笑)

まず私のスペックについて述べます。
経験的に述べると、私の英語力は、京大生の中で平均よりちょっと下かどうかってくらいだと思います。(入学時に受けさせられたTOEFL ITPでの成績もその程度でした。)
ほんとにめちゃくちゃ英語力がないわけではないということには注意してください。
ただし、入試英語(特に京大英語)に関しては、アドバンテージをとれる程度には模試でも本番でも成績は良かったです。
単語力は京大生の中では結構低い方だと思います(ほとんど単語帳を使ったことがないし、文章や辞書から吸収できてたかというとそれも微妙です)。

さて、こういう状況下で、どうやって和訳で点をもぎ取っていたかというと、それはずばり、
読み取れたことを確実に日本語にして、無駄な失点を抑える
ということでした。

簡単な文章の和訳を例に挙げてみます。

The first — and perhaps most obvious — effect of the Earth's rotation is that it imposes a daily, or diurnal, rhythm in daylight, air temparature, air humidity, and air motion.
All surface life responds to this diurnal rhythm. Green plants receive and store solar energy during the day and consume some of it at night. The daily cycle of incoming solar energy and the corresponding cycle of fluctuating air temperatures are topics for analysis in Chapter 2 and 3.

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1文ずつ見ていきましょう。

The first — and perhaps most obvious — effect of the Earth's rotation is that it imposes a daily, or diurnal, rhythm in daylight, air temparature, air humidity, and air motion.

地球の自転が及ぼす第一の、おそらくもっとも明らかな影響は、日光、気温、湿度、気流が、毎日、一日ごとに周期的に変化するということです。

  • 地球の自転が及ぼす第一の、おそらくもっとも明らかな影響は

決してきれいな訳ではないですが、別に減点される要素はないのでこれで良しとします。

  • 日光、気温、湿度、気流が、毎日、一日ごとに周期的に変化するということです。

diurnalなんて単語は知らなくても、orがすなわちの意味だということはわかると思います。「毎日、一日ごと」なんてくどい訳をしなくても、「一日ごと」だけでいいと思うんですけど、これはわかってますよアピールというやつです。
rythmは「周期的に変化する」くらいでいいです。よく言われる話ですが、英語は"体言中心"、日本語は"用言中心"の言語です。名詞で書いてあることを名詞で訳す必要なんて全くありません。

All surface life responds to this diurnal rhythm.

地球上の生物はみな、このような周期的な変化の影響を受けています。
当然surfaceは「表面の」とか訳しちゃいけません。respond toも「反応する」とかはやめましょう。

Green plants receive and store solar energy during the day and consume some of it at night.

植物は昼間のうちに光合成によって太陽のエネルギーを蓄え、夜になるとその一部を消費します。
光合成のことを言ってるんだなって思ったら光合成って言っちゃえばいいんです。普通日本語ならそう表現するはずなんだから、英語の構文にこだわる必要はありません。

The daily cycle of incoming solar energy and the corresponding cycle of fluctuating air temperatures are topics for analysis in Chapter 2 and 3.

地球上に降り注ぐ太陽のエネルギーの周期と気温変化の周期の対応関係については、2章と3章で分析することにします。
決して、「入ってくる太陽エネルギーの一日の周期とそれに対応する変動する気温の周期は2章と3章での分析のお題だ」とか言ってはいけません(笑)
incomingっていうのは宇宙から地球に入ってくるってことなんだから、「地球上に降り注ぐ」とかにしましょう。
それから、これはよくあるパターンなんですけど、「動名詞+名詞」っていうのは日本語では、「名詞が動詞すること」みたいに捉えるべきことが多いです。
これも、さっき言ったように、英語は体言中心、日本語は用言中心なことが原因です。
なので、日本語では「気温が変化すること」になるところが、英語では"fluctuating air temperatures"になるし、日本語では「○と×が対応していること」なのが、英語では"○ and the corresponding ×"とかになるんですね。
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いかがだったでしょうか。「なに当たり前のことをどや顔で語っとんじゃボケが」って思った人もいるかもしれませんが、少しでも参考になったなら幸いです。
こういう訳の仕方を、巷では"意訳"とかっていうみたいなんですけど、これは普通に"直訳"と呼んで問題ないと思います。世間で"直訳"と呼ばれてるのは、ただの"誤訳"です(笑)
たぶんあまり英語力、単語力がなくても、これなら入試で英語を武器にできるんじゃないでしょうか!

ちなみに僕はこういうテクだけで点を取ってたせいで大学に入ってからすごく困ってるのでこんなせこい技だけに頼らずにみんなはちゃんと英語力をつけようね。

ありがとうございました。

*1:Strahler, A. H. & Strahler A. (2002). Introducing Physical Geography (3rd edn,) New York: John Wiley.

*2:対応関係がtopicなのではなく、それに関連して気温変化の周期もtopicにするというニュアンスなのではという指摘を頂きました。そちらが正しいかもしれないのでご注意ください。