読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

オタクof数理の共同ブログ

京大情報学科数理工学コースの学生4人による共同ブログです

弾性体の振動の縦波と横波

よねすけです。振動波動論の試験で弾性体の振動に関する問題が出て勉強してなくて全く分かりませんでした。つらい。。。

弾性体中の座標ベクトル\textbf{r}の点の、時間tにおける変位を\textbf{u}(\textbf{r},t)とすると、弾性体の振動の方程式は

\displaystyle\rho\partial^2_{t}\textbf{u}=\frac{E}{2(1+\mu)}\left[\nabla^2\textbf{u}+\frac{1}{1-2\mu}\nabla(\nabla\cdot\textbf{u})\right]

で与えられます。ここで\rhoは弾性体の密度、Eはヤング率、\muポアソン比です。(いずれも定数、\displaystyle 0<\mu<\frac{1}{2})

定ベクトル\textbf{u}_0を用いて\displaystyle\textbf{u}\left(\textbf{r},t)=\textbf{u}_0{\rm exp}(i(\textbf{k}\cdot\textbf{r}-\omega_k t)\right)と書けたとします。これを先の振動の式に代入して整理すると

\displaystyle\rho\omega_k^2\textbf{u}_0=\frac{E}{2(1+\mu)}\left[k^2\textbf{u}_0+\frac{1}{1-2\mu}\textbf{k}(\textbf{k}\cdot\textbf{u}_0)\right]

が得られます。
縦波の場合、すなわち考える波の進行方向と媒質の振動方向が平行な場合、
\textbf{k}\parallel\textbf{u}_0

が言えます。\textbf{k}(\textbf{k}\cdot\textbf{u}_0)=k^2\textbf{u}_0を代入すれば
\displaystyle\rho\omega_k^2\textbf{u}_0=\frac{E}{2(1+\mu)}\left[k^2\textbf{u}_0+\frac{k^2}{1-2\mu}\textbf{u}_0\right]

です。縦波の速さをv_lとおくと\omega_k=v_l kなので
\displaystyle v_l=\sqrt{\frac{(1-\mu)E}{(1+mu)(1-2\mu)\rho}}

が分かりました。

横波の場合、すなわち考える波の進行方向と媒質の振動方向が垂直な場合、

\textbf{k}\cdot\textbf{u}_0=0

が言えます。
\displaystyle\rho\omega_k^2\textbf{u}_0=\frac{E}{2(1+\mu)}k^2\textbf{u}_0

横波の速さをv_tとおくと\omega_k=v_t kなので
\displaystyle v_l=\sqrt{\frac{E}{2(1+mu)\rho}}

が分かりました。

縦波、横波の速さを比較してみましょう。

\displaystyle\begin{eqnarray}
\left(\frac{v_l}{v_t}\right)^2&=&\frac{(1-\mu)E}{(1+\mu)(1-2\mu)\rho}\frac{2(1+\mu)\rho}{E}\\
&=&1+\frac{1}{1-2\mu}\\
&>&2 \end{eqnarray}

これより、v_l>\sqrt{2}v_tが分かります。
地震のP波(=v_l)の速さはおよそ5\sim 7km/s地震のQ波(=v_t)の速さはおよそ3\sim 4km/sと言われているそうなのでだいたい一致していますね。

それでは。