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オタクof数理の共同ブログ

京大情報学科数理工学コースの学生4人による共同ブログです

メルカトル級数とライプニッツ級数

こんにちは、よねすけです。

TOEICの点数が返ってきました。なななんと!!!945点!!!とても嬉しい点数でした!!!ちなみに『なななんと』は『ララランド』を意識しました。

メルカトル級数ライプニッツ級数を導出する方法はいろいろと知られていますが、今回は高木貞治の『解析概論』に載っていたある公式から導出することが出来たので紹介したいと思います。

定本 解析概論

定本 解析概論

a{>}0,b{>}0とすれば、

\displaystyle\int_0^1\frac{x^{a-1}}{1+x^b}dx=\frac{1}{a}-\frac{1}{a+b}+\frac{1}{a+2b}-\frac{1}{a+3b}+\cdots

はじめにこの証明に取り掛かろう(章末問題に載っていて証明が載っていない!!)としたんですが若干厄介でした。上式の左辺を次のように変形します。

\displaystyle\int_0^1\frac{x^{a-1}}{1+x^b}dx=\lim_{c\to 1}\int_0^c\frac{x^{a-1}}{1+x^b}dx
ここでc{<1}とします。
このように書くのには訳があって、被積分関数の分母部分をべき展開する際に収束半径が問題になってくるからです。いま0\le x\le c{<}1区間では
\displaystyle\frac{1}{1+x^b}=1-x^b+x^{2b}-x^{3b}+\cdots
とでき、これはこの区間で一様収束です。これを用いると、
\displaystyle\begin{align}
\int_0^c\frac{x^{a-1}}{1+x^b}=&\int_0^c\left(x^{a-1}-x^{a+b-1}+x^{a+2b-1}-x^{a+3b-1}+\cdots\right)dx\\
=&\left[\frac{x^a}{a}-\frac{x^{a+b}}{a+b}+\frac{x^{a+2b}}{a+2b}-\frac{x^{a+3b}}{a+3b}+\cdots\right]_0^c\\
=&\lim_{n\to\infty}\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^k}{a+kb}c^{a+kb}
\end{align}
がわかります。一様収束性から項別積分できることを利用しました。これより
\displaystyle\begin{align}
\int_0^1\frac{x^{a-1}}{1+x^b}dx=&\lim_{c\to 1}\int_0^c\frac{x^{a-1}}{1+x^b}dx\\
=&\lim_{c\to 1}\left(\lim_{n\to\infty}\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^k}{a+kb}c^{a+kb}\right)\\
\underbrace{=}_{極限の交換}&\lim_{n\to\infty}\left(\lim_{c\to 1}\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^k}{a+kb}c^{a+kb}\right)\\
=&\lim_{n\to\infty}\sum_{k=0}^{n}\frac{(-1)^{k}}{a+kb}\\
=&\frac{1}{a}-\frac{1}{a+b}+\frac{1}{a+2b}-\frac{1}{a+3b}+\cdots
\end{align}
となり、示されました!!!
としたいところなんですが、途中で出てきた極限の交換については言及しておかなければなりません。ここの極限操作を交換できることはAbelの定理と同様の証明を行うことで示されます。なのでこれは収束が確かめられるので極限の交換は正当化されます。これよりはじめの式が示されました。
\displaystyle\int_0^1\frac{x^{a-1}}{1+x^b}dx=\frac{1}{a}-\frac{1}{a+b}+\frac{1}{a+2b}-\frac{1}{a+3b}+\cdots
この式を用いてメルカトル級数ライプニッツ級数を証明しましょう。

a=1,b=1の場合、左辺は

\displaystyle\int_0^1\frac{1}{1+x}dx=\log 2
であり、右辺は
\displaystyle 1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots
なのでこれよりメルカトル級数
\displaystyle\log 2=1-\frac{1}{2}+\frac{1}{3}-\frac{1}{4}+\cdots
が得られます。

a=1,b=2の場合、左辺は

\displaystyle\int_0^1\frac{1}{1+x^2}dx=\frac{\pi}{4}
であり、右辺は
\displaystyle 1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+\cdots
なのでこれよりライプニッツ級数
\displaystyle\frac{\pi}{4}=1-\frac{1}{3}+\frac{1}{5}-\frac{1}{7}+\cdots
が得られます。

このようにしてメルカトル級数ライプニッツ級数が得られました。今回はAbelの定理を用いたのでAbelの定理の紹介もいつかしたいと思います。また、メルカトル級数ライプニッツ級数の別の証明も紹介したいと思います。

それでは。