チェザロ平均
こんにちは,よねすけです.
今回は数列のチェザロ平均というものついて書きたいと思います.
今までは数列(今回は複素数列を考える.)の級数が収束するというのは複素数列の級数
について第部分和を
と定めたときに,となるならば,級数和はに収束する,というふうに習ったと思います.この定義でいくと例えば
などが分かりますね.しかし,この定義だと次のような級数に対して極限を持ちません.
この場合は部分和の列がとなるからです.しかし部分和が交互にと現れるので希望としてはに収束してくれるといいなあ,って思いますよね??そこで次のような意味付けを与えてみましょう.
はじめの個の部分和の平均をとって
とおいてみましょう.を数列の第チェザロ平均と呼ばれます.のときにが普通の意味である複素数に収束するときに,級数はにチェザロ総和可能というふうに言います.
この定義で行くと先ほどの級数もきちんとに収束することも確かめられますね.
しかし,少し問題があります.収束の意味をこのように押し広げたときにこれは果たして普通の意味で収束するときの値と一致するのでしょうか?なので次の事を確かめる必要があります.
これは真です.実際に確かめましょう.はじめと同じように数列の級数が普通の意味でに収束するとしましょう.
このとき次が成り立つことは一回生の微積分でやりました(論法で示せます.).
これよりこの級数はにチェザロ総和可能であることが分かりました.しかも収束値まで一致します.
それでは.