オタクof数理の共同ブログ

京大情報学科数理工学コースの学生4人による共同ブログです

おもろい図形

こんにちは, よねすけです.
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円の中に一点を適当にとり, それを通る線分とそれに垂直な線分を上の図のようにとったとしましょう. このとき, 円の半径rを用いて

a^2+b^2+c^2+d^2=4r^2
となります. 図形に関する等式で個人的に一番好きなので今回紹介することにしました.

この式の証明をするために下のように補助線を引きます.
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線分QXは円の中心を通るように取るものとします. そうすると

RS=PX
が分かります. これは線分QXが中心を通る事から, 四角形PRSXが等脚台形であることが分かるからです. 線分PQ, RS三平方の定理から,
PQ=\sqrt{a^2+b^2}, RS=\sqrt{c^2+d^2}
です. 三角形PQXは直角三角形なのでまた三平方の定理を用いる事が出来て,

\begin{eqnarray}
QX^2&=&PQ^2+PX^2=PQ^2+RS^2\\
\Leftrightarrow (2r)^2&=&(\sqrt{a^2+b^2})^2+(\sqrt{c^2+d^2})^2\\
\Leftrightarrow 4r^2&=&a^2+b^2+c^2+d^2
\end{eqnarray}
が示されました.
とても綺麗な式ですね.

それでは.

[追記]
いろいろ突っ込まれそうなので一応書いておくとこの証明ははじめに取る点が円の中心と一致しないときに限り成立します. 円の中心に一致する時は, a=b=c=d=rなので明らかに成り立ちますね. また円の中心でない点を取った場合には適当な回転を行えば上の図のようにacよりも長く, bdよりも短くなるようにすることができるので確かに問題ありません. 図形を用いて証明する場合はこういった面倒があるので大変ですね.